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相続人の廃除(遺言による廃除)

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相続人の廃除(民法893条)

相続人の廃除の効果 

 廃除が認められた場合には廃除された相続人は相続権(遺留分を含む)を失う。
 しかしながら、相続人の子に対しての代襲相続は生じる。
 

廃除が認められる要件

 相続人の廃除を遺言で行うこともできるが、廃除には①被相続人に対する重大な虐待・侮辱行為、②推定相続人に著しい非行があると家庭裁判所で認められる必要がある。
 

遺言による相続人の廃除のデメリット

廃除の根拠が不明確になる。

 生前に推定相続人の廃除を家庭裁判所へ請求する場合には具体的な事実を主張できる。他方で遺言による廃除の場合には遺言に記載された以上の事実について他の資料がなければ不明確になってしまう。
 

遺言執行者が必要になる。

 生前の廃除手続は被相続人が行うことが出来るが、遺言による廃除の場合には遺言執行者が家庭裁判所への申し立てを行う必要があるため相続人の手間となる可能性がある。
 

【相続人の廃除の遺言の文言例】

 遺言者の【続柄・氏名】(●年●月●日生)は、遺言者に日頃からの暴行を行っており、●年●月●日ごろの暴行によって鼻から出血するという傷害を負い、●年●月●日頃の暴行によって、全治約3週間を要する両側肋骨骨折の傷害を負って、4日間の入院治療を受ける虐待をしたので、遺言者は、【続柄・氏名】(●年●月●日生)を推定相続人から廃除する。
 

※大阪高裁令和元年8月21日決定を参照               

※家庭裁判所への請求の場合には添付資料として診断書を添付するなどを想定しているため、遺言執行者が診断書や診療記録の有無と問い合わせ出来るように病院名などを記載しておくと良い。