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準相続財産としての生命保険金

相続知識ガイド

準相続財産としての生命保険金

遺産分割の対象外でも、相続税・遺留分・特別受益に関わる重要な財産です

民法上の性質
遺産分割
対象外
(受取人固有の財産)
相続税法上の扱い
みなし相続財産
課税対象
(非課税枠あり)
注意点
要注意
特別受益・遺留分
問題になる場合あり
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生命保険金とは「準相続財産」

被保険者が死亡した場合に支払われる生命保険金(死亡保険金)は、受取人固有の権利として発生します。そのため、民法上は遺産ではなく、原則として遺産分割の対象にはなりません。

しかし税務・法律上の各ルールが複雑に絡み合うため、「準相続財産」として特別な取り扱いが必要です。相続手続きにおいて見落とされがちな論点でもあるため、正確な知識を持つことが重要です。

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相続税における取り扱い

生命保険金は「みなし相続財産」として、相続税の課税対象に含まれます。ただし、法定相続人の人数に応じた非課税枠が認められています。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
※ 相続を放棄した人も法定相続人の数に含めます(相続税法第12条)。
受取人の立場 課税の有無 税の種類
相続人(配偶者・子など) 非課税枠を超える分が課税 相続税(みなし相続財産)
相続人以外(内縁の配偶者など) 全額が課税(非課税枠なし) 相続税(遺贈として扱われる)
受取人が被保険者本人 所得税・住民税の対象 一時所得(相続税ではない)
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遺産分割との関係

死亡保険金は受取人の固有財産として扱われるため、他の相続人の同意なく取得できます。ただし、以下の点に注意が必要です。

【原則】 遺産分割協議の対象外。受取人が指定されていれば、遺産に含まれません。
【例外①】 受取人が「相続人」と指定されている場合は、法定相続分の割合に応じて分配されます。
【例外②】 受取人の指定がない(未指定・死亡)場合、保険約款の定めにより相続人全員が取得し、遺産として扱われることがあります。
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特別受益・持戻しとの関係

最高裁判例(平成16年10月29日)では、生命保険金は原則として特別受益には該当しないとしています。ただし、保険金額が遺産総額に対して著しく高額であるなど、特段の事情がある場合は、特別受益に準じた扱いとなり得ます。

保険金額が遺産総額に占める割合が大きい場合、他の相続人から「持戻し」を求められる可能性があります。事前に専門家へご相談ください。
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遺留分との関係

生命保険金は遺産ではないため、原則として遺留分侵害額請求の対象にはなりません。ただし、以下のケースでは問題になる場合があります。

ケース 遺留分との関係
保険金が遺産の大部分を占める場合 遺留分侵害として争われる可能性あり(裁判例あり)
特定の相続人に保険金受取を集中させた場合 生前贈与に準じた扱いを求められることがある
一般的な死亡保障の範囲内 遺留分の対象にはならない(原則)
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実務上のポイント・受取人指定の重要性

Step 1
受取人を
明確に指定
Step 2
契約内容の
定期確認
Step 3
相続税の
試算・対策
Step 4
遺言書との
整合性確認
  • 受取人を「相続人」とせず、具体的な氏名で指定することで分割トラブルを防げます。
  • 離婚・再婚・子の誕生などライフイベントごとに受取人の変更を忘れずに行いましょう。
  • 複数の保険がある場合、合計金額が非課税枠を超えないか確認が必要です。
  • 遺言書がある場合は、保険金の受取人指定と遺産分割の内容が矛盾しないよう調整してください。
本ページの内容は一般的な法律知識の提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。登記申請や税金の具体的なご相談については、司法書士・税理士等の専門家にお問い合わせください。
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